なんてことない日記

毎日お寿司が食べたいなぁ

ある種の色光

 

 

 

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」村上春樹

多崎つくる、鉄道の駅をつくるのが仕事。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。
何の理由も告げられずに――。
死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時なにが起きたのか探り始めるのだった。

 

 

村上春樹が翻訳した本は最近読んでいたのだけど、村上春樹の小説は久しぶりに読む。

たくさんの疑問が残ったまま、この小説は終わってしまった。まるで村上春樹に「あとはお任せしますので、ご自由にどうぞ。」と言われているような気がする。そのおかげで読み終えた後も”考え続ける楽しさ”があった。現実でもない、夢でもない、「平行世界」のような場所で様々なことが起こっていたのかなぁとも思う。そして色彩を持っていないと思っていたつくるは、”ある種の色光”の持ち主だったのかなとも。