20年くらい前の江國香織の短編集。主人公は皆、小学校高学年くらいの女の子。
どの子も少し、じっとりしている。ミステリアスというのかな。どの子も不思議な雰囲気がある。
そんな女の子たちの夏の思い出たち。といっても毎年やってくる"夏"ではなくて、特別な「あの夏」の物語。
カルピスが出てくる話を読んでいるときに、背後の方でカランカランと氷の音がして、「あ、カルピスの入ったコップだ」と思ったけれど、ここは図書館だった。誰かの鞄に付いているキーホルダーたちぎぶつかり合う音だった。5秒間くらいの出来事。
この物語の世界に予想以上に入り込んでいたんだなぁと、驚いた。
わたしはどんな女の子だったかな。「あの夏」はあったのかな?とつい考え込んでしまいそうになる。
2018/1 No.3 「すいかの匂い」 江國香織