ずっとソファが欲しかった。
ソファに座って、オットと一緒に映画を見たかった。
ソファに座って、ゆっくり読書がしたかった。
ソファに座って、いや、寝っ転がって、のんびりしたかった。
昨日、ソファがやってきた。
組み立ても、ソファカバーをぎゅうぎゅう付けるのも、全部オットがやってくれた。オットは手先が器用で、手の動きがかっこいい。
わたしはなんとなく側にいてじっと見つめる。見られていると気づいたオットが、変な顔をしながらぎゅうぎゅう付ける。わたしが笑うと、さらにパワーアップした変な顔でぎゅうーっと付ける。笑いに貪欲なのだ。
念願のソファがもう、すぐ目の前にいる。
初めて座ったのに、信じられないほど体に馴染む。ソファがすごいのか、わたしがすごいのかはわからない。
オットは「ソファが似合うね」と言ってくる。ソファが似合うってなんだろう。
今日、いつもと違うメガネをかけてみたら「そのメガネも似合うね」と言っていた。
今日、至ってふつうの黒のトップスにジーンズを着ていたら「その格好似合うね」とも言っていた。
そういえば、ソファがない頃も、カーペットの上でゴロゴロしていたら「ほんとそこでゴロゴロしてるのが似合うね」とよく言っていた。
ソファが似合って、メガネが似合って、服が似合って、床でゴロゴロも似合っちゃうんだな。オットから見たわたしは一体どんな人間なんだろう???